「子供へのまなざし」 佐々木正美著より
赤ちゃんが泣いて要求をするときになんでも満たしてあげた方がいいのか?
親なら迷うところであります。
本には、ヨーロッパの学者や研究者や臨床学者の間で意見が分かれていたというのですから
誰しもが同じ問題で頭を悩ませるのだなあと思いました。
それは、生まれたばかりの子供の資質が決まってくるのではないかと思う重要な課題だからです。
結論から申し上げますと、この本では、子どもの要求には応えてあげた方がいいよということでした。
乳児は何もできないので、乳児が自分でできる努力というのは、泣くことだけなので、その伝えた希望が望んだ通りに叶えられるほど
相手を信じるし、その相手の人を通して多くの人を信じる。それより、何より自分自身を信じることができるとのことです。
自分で希望を持てば、努力すれば、それらの多くは実現するものということを教えてあげることが大事と書いてありました。
息子はよく泣きました。初めての子どもでわからないことばかりででした。
昼夜、問わず泣いていたような気がします。敏感で気難しい性質なのか?寂しがりやで甘えん坊なのか?とあれこれ考えました。
しかし、こんな良い言葉がのっていました。
泣いてばかりいる赤ちゃんのお母さん朗報です。
泣き続ける方が努力する素質がある。とのことです。
おー、息子! 努力家の素質がある!嬉しいです。😀

実験
こんな実験がありました。
赤ちゃんを二つのグループに分けます。、
Aグループ、泣いても深夜に受乳をしない、昼間も規則正しく定時授乳を守る。
Bグループ、子どもが望むたびに授乳をする。子どもの要求は可能な限り、抱っこ、遊び相手をする等叶えてあげる。
Aグループでは、3日でなかなくなる子もいました。
大抵の赤ちゃんが1週間くらいすると、翌日の朝まで泣かないでおっぱいを待てる子になったそうです。
2週間泣き続ける子は例外的しかないという研究報告です。
その後追跡調査がありました。
当時3日で泣かないで翌日までおっぱいを待てるようになった子どもは忍耐強い子供ではなくて、むしろ、困難に対して早くギブアップする子だということがわかったのです。
いつまでも泣き続ける赤ちゃんの方が、本当は忍耐強い、ギブアップをしない子供だったのです。
2週間以上も長く泣き続けた赤ちゃんの方が、努力し続ける子供に成長をして行ったそうです。
この実験からわかった、もっと大切なことは、
泣くことで自分の要求を表現すれば、その要求が周囲の人によって、満たされるということを体験し続けた赤ちゃんは、自分を取り巻く周囲の人や世界に対する信頼と、自分に対する基本的な自信の感情が育まれてくることがわかりました。
親に手をかけさせない子どもがいい子かというとそうではなくて、親に手をかけさせる子どもは、親や、保育者が愛情をかけてやる機会が多いということですから、
長い目で見れば、本当は育てやすい子どもだということです。
親は、どこかの時期に、一度は思い切り子供に、心や、手をかけなくてはいけない。
小さい時に手をかければかけるほど、早くから順調に育っていくものです。とありました。
手がかかって大変な時期のお母さんは少し心が安らぐのではないでしょうか?
手をかけさせる子どもの方が良いこだそうです。