ニキーチン
ボリス。パーブロヴィッチ・ニキーチン(1916ー1999)
ロシアの教育学者です。7人の子供を育てています。
その時に実践した、育児や知育遊びで、子供は常識で信じられているより、たくさんのことができるようになる。と発信をしました。
今回は、「ニキーチンの知育遊び」暮らしの友社出版 から情報を共有したいと思います。

創造性が必要になる
この本が日本で出版されたのは昭和61年です。
これからの必要な能力は創造性だとありました。
現代の生産現場では、特に柔軟性が必要になります。
一般調子な実効活動ばかりの重労働は消えていってしまします。
こういう状況の中では、創造的な知性を持つ方が、新しい職種に適応しやすいでしょうしどんな仕事の
なかにも、創造の楽しみを見つけ出し、労働者の能率を高めることもできるのです。
ニキーチンの知育遊び
35年前の本に書かれていることは現代にも通じるところがあります。
必ず、進んで工夫する働き手、何事にも創造力を持ってあたることのできる働き手に育てなくてはいけない。
というフレーズに共感します。
教育の目指すところは、知識も大切ですが、それを使って生かしていく創造性だということでしょう。
これまでも、創造性が人間社会の営みを豊かにしてきました。これからの未来も創造性で作られていくのは予想されるところです。
人間の能力を伸ばすには、大切な時期がある。
人間の成長では、大切な成長の時期があります。
脳は下から上に、右から左にひらけていくので、脳の下の方の能力。右の能力は早い時期に吸収力のピークを迎えます。
狼に育てられた少女
有名な例のお話が、狼に育てられた少女の話です。
インドの山奥で保護された8歳の少女は、狼のように四つん這いで歩き、言葉を覚えるのに
大変時間がかかったという話です。
言葉を覚える時期が過ぎていたということです。
聴覚は、発達が早く、目よりも聴覚の方が先に機能します。
そして、低音から高音まで、幅広い周波数を聞き取れる耳を持っていますが、
普段聞いている周波数にチューニングされるため、聞き取れない音が出てくるそうです。
日本人が英語を話せないのも、英語の高音域が聞き取れないからということにあります。
この話からも、乳幼児の頃の環境が大切だということがわかります。
賢さが身につく時期はいつなのか?
さて、本に戻ります。
賢さは生まれつきではない。と言っています。ではいつ賢さが身に付くのか。
子供の知能の差は、2歳くらいになると、はっきりしてくるのですが。とあります。
ハーバードの大学の科学者の調査がのっています。
入学児童の知能の変化をしらべ、次のことを明らかにしました。
子供の知能の差は、2歳ごろになるともうはっきりしてくるものですが、9ヶ月、10ヶ月、の子では、能力の差はほとんどなく、
10ヶ月から1年6ヶ月の間で、何か重大なことがおこりそれによって、将来の知能のが決まってくる。
さらに、続きます。
3歳を過ぎたお子さんの保護者の方は、残念な気持ちになると思いますが、
現在は、大人になっても脳が成長すると言われています。
気づいた今がお子さんにとって最適な時期だと思いますので、大丈夫です。
子供に発見させる
託児所の指導
知り合いが、お高い託児所で働き始めた時に言われたことです。
赤ちゃんが何かしているときは見守ってなるべく一人でやらせてね。とのことでした。
例えば、何か物を取ろうとして、欲しい物の上に重たいものがのっていて取れなくても
手伝ってはいけない。それが、大声で泣いていても。
日常の中で自分で、解決方法を見つけ出す。ということを優先させています。
ニキーチンのエピソード
この本では、ニキーチンさんが実際に、家であったことのエピソードを載せています。
子供に変わって考えてやってはいけない。これは害でしかないとのことです。
2歳の子供がミルク沸かしを両手で持って閉まったドアのところに来た場面で、おばあちゃんがとんできます。ドアを開けるために
ニキーチンはおばあちゃんに言います。
「おばあちゃん、自分で考えさせてください。自分でやるという満足がなくなります。ちょっとしたことなんだけど、それだって発見の連続なんだから」
ニキーチンさんのお子さんは7人とも優秀に育ちました。
きっと、この子育てが、良い方向で作用したのですね。
今は、核家族です。
子供仕様の子供が暮らしやすい家にもできますし、子供にとってのぶつかる課題が少ないかもしれないですね。
そして、発見ができたり、自分でできた満足感を味わう場面は減っているので、
日常の育児ポイントとして覚えておくと、子供に考えさせる機会が増えますね。
私は一人しか育てていないので、7人を育てた方は本当に偉大です。
他の、知育玩具や子育て本と違うところはなんと言っても、この子育の経験の豊富なところが反映されているところです。
7人の子供を育てたニキーチンさんの、子供への対応の仕方、言葉の掛け方なども本書には書かれいます。遊び方の指南も子供に寄り添っているのでとっても参考になりますよ。
知育遊びが10種類
知育遊びが10種類のっています。
幼児の知育教材を買い漁り、調べた時期がありました。
この、ニキーチンが元になっているなと思ったものが多かったです。
いくつかご紹介していきます。
目の機能を高めるのも
自分のフィルターを通しての紹介になってしまいますが。
子供の目の機能が弱かったためとてもこの遊びがよかったです。、また、同じようなお子さんは多くいらっしゃいます。
目の機能がよく使えることが現代においては能力アップにかかわってきます。大変重要だと思い
一番に書きました。
ぜひ、小学校の低学年までに、目の機能をしっかりと作っていただけたらと思います。
もともと目は、手元にピントを合わせるようになっていないのです、
しかし、日本では、ペーパー試験で能力が試される機会が多いです。何か夢を叶えようとする時にはどうしても
手元で細かなピントを合わせて、目と手を共同に作業させなくてはいけないのです。
これは、小さい頃から、徐々に培っていく能力です。

模様がき
模様作り
これは、鉛筆が上手に使えないとできません。
目でしっかりと見ることができないとできないのでなかなか難しいものになります。
しかし、これができると、学校での勉強もスムーズでしょう。
目の機能がうまくつかえないと、文章を読むのが困難になりますし、
鉛筆で書く作業が困難だと、勉強全般が困難になると予想されます。
本には、こんなふうに遊んでみたらいいですよと書いてありますのでお子さんとの遊びで困ったら参考に読んでみてください。
模様作り
積み木を使って遊びます。
四角と三角の組み合わせて模様を作っていくものです。

立方体の4面に色が塗ってあります。面一面を塗ったもの、四角の面を三角で分けて色を塗ったもの
これを組み合わせて、お見本を作っていきます。
私のこどもは、三角の斜めの使い方をどこで分けたらいいかがわからないようでした。
斜めのせんが、普段の生活にあまりない線なので、認識するまでに時間がかかるのかな?
と子どもと遊んでいた時に思いました。
ほとんどの子がそのようです。
難易度が上がって、シリーズDになるとどこで、図形を区切ったらできるのか?というのが
問題になってくるようです。

パズルって、できた時に自分で答えがわかるので、何度も挑戦してできた時の喜びは多いかったようです。
もちろん、途中で投げ出したり、したこともあります。
手首を使ったり、手先を上手に使わないと積み木が揃わないので手の機能も育っていたと思います。
模様づくりのパターン図柄も売っています。↓
みんなの積み木
積み木をいくつか組み合わせたものを使います。お見本をみて組み立てていきます。
この本で、平面の認識と立体の認識ができるのありがたかったです。
積み木は、手作りをしました。


無垢の積み木を購入して色を塗り、木工ようボンドでくっつけました。
子供と一緒に作りました。
ニキーチンさんには怒られますが、失敗が嫌だったので、私主導で飽きてきたら一人で、テキパキ済ませてしまいました。
あの頃は、余裕が全くなく、
今思えばもっとおおらかにできたらよかったのにと反省しています。
色々な形の積み木を積み上げたり、組み合わせて遊ぶのが楽しいらしく3つ作りました。
うちは3人家族なので、子供も親も、充分にできるようになってから、親子で競争をして遊べたので
作っておいてよかったです。
図形や空間認識の脳は感覚的な分野で、年齢の早いうちが吸収できる時期です。
その時期に遊んでいたのでその分野の能力が身についたようです。
しかし、私も一緒に初めてかなり上達したので、いつからでも伸ばせられる能力ではないかと思っています。
私は、昭和の生まれで、ゲームがない時代でしたので、遊びの経験が今の子供よりも豊富です。
ですから、もしかしたら、ゲームに偏っている現代の子が大人になってからでもできるかどうかはわかりません。
レンガ積み
レンガ状の積み木を、図面を見てその通りに積み上げていく遊びです。
製図の基本や空間を考える力が育ちます。

これは、私が難しかったです。
使ってこなかった脳を使うので苦しかったです。
正面図(正面から見た図)
平面図(上から見た図)
側面図(左から見た図)
を見ながら積み木を組み立てていくものです。
上の図は一番簡単な問題です。
これが組み合わさると脳に大変な負荷がかかります。
これは私が 恐ろしくできないので、正解がわからないことが多かったですが
目線が同じになるので、子どもはお母さんに教えてあげるよと言った感じで
楽しんでいました。
幼児期にニキーチンで遊んでみて
よかったと思います。
楽しく一緒に遊べたことが一番の豊富です。
小学生になってからは、対等に競争ができるのでそれも楽しかったです。
積み木やパズルは試行錯誤するので、精神面でも成長をするようです。
今、子どもは中学生ですが、トライ、アンド、エラーを繰り返す粘り強い精神や
うまくいかなかった時の自己コントロールというところにも成果が現れているような気がします。
空間認識や図形のセンスはもちろんです。
ニキーチンさんの目指すべき創造性がどうなのかは、これからわかるのかな?と思っているところです。
忙しくでなかなかお時間の取れないうちもあると思います。
0より1の刺激は大きいと聞いたことがあります。
家で目にとまるところに積み木があれば、勝手に興味を持ち遊ぶのが子どもです。
ニキーチンの本を読む時間がなくても、子供さんのために積み木を家に置いておくだけでも何もやらなかったよりは、より良い人生を作っていくきっかけになってくれるかもしれません。